「たとえば木更津のアトリエは、更地にするための費用と、土地の売却代がほとんど同じでした。そこでよこしまな気持ちを出して、『もう少し高く売れるはずだ』と売り惜しみをすると、せっかく抱いた『整理しよう』という気持ちがざわつきます。
大切なのは、売ることや得することに執着せず、楽しい思い出に感謝する気持ちで終活を進めること。終活は“死に支度”ではなく、自分たちが衰えたとき煩わしいことに振り回されず、よりよい生活を送るための作業です。なかには悪徳な業者もいますから、欲を張るほどトラブルに巻き込まれ、すっきりした老後を送れなくなります」
終活は、手つかずはもちろん、やりすぎてもいけない。残される人たち、自分たちの老後にとって「優しい終活」を実践するには、ほどほどのさじ加減が重要だ。
※女性セブン2021年7月15日号