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【日本株週間見通し】日経平均は戻りを試すか、上値の重い可能性も

日経平均は不安定な値動きが続く

日経平均は不安定な値動きが続く

 投資情報会社・フィスコが、株式市場の7月5日~7月9日の動きを振り返りつつ、7月12日~7月16日の相場見通しを解説する。

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 先週の日経平均は大幅に下落した。6月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数が市場予想よりも大幅に増加した一方、失業率は前月より悪化し賃金の伸びは前月比で減速した。米連邦準備制度理事会(FRB)が量的緩和を即座に縮小させるほどの内容ではないとの見解が優勢となり、前の週末の米株式相場を押し上げた。しかし、東京市場では雇用統計前の週末に既に売り方の買い戻しが入っていたことで、週明けの日経平均は買い手の存在に欠くなか終始軟調に。対ドルでの円安進展の一服も重しとなった。

 6日は、独立記念日の振替休日で米株市場が休場のなか、欧州市場の株高を背景に小幅反発。しかし、連休明け6日の米株市場では、6月ISM非製造業景況指数が予想を下回ったことで景気回復ペースの鈍化懸念が浮上、NYダウの下げ幅は一時400ドルを超えるなど総じて軟調だった。荒れたダウの動きが嫌気されたほか、週末にかけての上場投資信託(ETF)の分配金捻出に伴う需給悪化懸念が重しとなり、7日の日経平均は一時500円近くにまで下げ幅を拡げる場面が見られた。

 8日は、6月の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で金融緩和の縮小を急ぐ姿勢が確認されなかったことが安心感につながったが、米10年債利回りがおよそ5カ月ぶりに一時1.3%を下回ったことが景気減速懸念を強めた。政府が東京都に4回目の緊急事態宣言を発出する方針と伝わったこともあり、日経平均は前の日に続き200円超下落し、終値は28118.03円となった。

 その後、東京五輪での無観客開催が決定したことで、新型コロナのデルタ変異株が世界経済の回復ペースを後退させるとの懸念から、米長期金利が一段と低下するなか、8日の米株市場ではダウが一時500ドル超下げるなど景気敏感株が広く売られた。金利低下を追い風に好調だったIT系グロース(成長)株も売られ、ナスダックも値幅を伴って調整した。米主要株価3指数が揃って大きく下落したことやETF分配金捻出に絡む需給悪化が重しとなり、週末の日経平均はあっさりと28000円を割れてスタートすると、一時27419.40円(前日比698.63円安)まで下押しした。後場に入ってからは日銀によるETF買い入れ観測もあり、急速に下げ渋ったが、27940.42円と28000円を回復できずに週を終えた。

 今週の日経平均は短期的な戻りを試す展開か。ETFの分配金捻出に伴う需給悪化要因がなくなることや、先週の間に日経平均は1000円近くも下げていることから、短期的には反発が予想される。しかし、新型コロナの感染再拡大や国内の政治不透明感から、日本株は引き続き上値の重い展開が想定される。

 五輪での無観客開催の決定などを受けて、世界的にも新型コロナ変異株の拡大による景気回復鈍化への懸念が強まってきている。ナスダックやS&P500種株価指数が連日最高値を更新していた米国市場でも、週後半にかけては値を崩す傾向が見られた。好調だった米国株まで軟調となると、相場全体の手控えムードにも繋がりかねないため、米株市場の動向には留意したい。

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