日本や欧州がマイナス金利となるなど大規模な金融緩和が続くなか、世界的な「大緩和時代」は当面継続する見込みで、世界中にあふれたマネーが投資チャンスを窺っている環境に変わりはない。
現時点では、その多くが米国株や東南アジア株に流れ込んでいる格好だが、日本株にも状況さえ整えば、一気に資金流入する可能性がある。
実際、今年に入ってからも、4月には東証マザーズ指数が9年3か月ぶりの高値を更新、7月には『ポケモンGO』人気で任天堂の株価が2倍以上に急騰し、関連銘柄も賑わったように、成長期待の高い分野にはマネーが一気に流れ込むのだ。
そこで注目したいのが、7月29日と8月2日に矢継ぎ早に打ち出された日銀の「追加金融緩和」と28兆円規模に上る政府の「経済対策(財政出動)」だ。
追加緩和は期待された国債の買い入れ増額こそなかったものの、ETF(上場投資信託)買い入れ額拡大(年間3.3兆円→6兆円)が今後、株価を押し上げてくるのは間違いない。
過去の外国人投資家の買い越し額と日経平均株価へのインパクトから試算すると、おそらく年間では2000円近い下支え効果があるだろう。
また今回の発表でもうひとつ見逃せないのは、成長支援資金供給・米ドル特則(企業の海外展開を支援するため最長4年の米ドル資金を金融機関経由で供給する制度)の総枠を現行の120億ドルから240億ドルに拡大したことだ。