抗老化学の研究を進める一方、2019年にはAIベンチャー企業のフェロー(研究員)となり、ロコピョンの進化版を開発中でもある。
このバイタリティーには驚くばかりだが、そこまでやり抜くモチベーションはどこにあるのだろうか?
「長く続けるためには、モチベーションを最優先事項にするのは、絶対にダメだと思っています。なぜかというと、何かを始めるとき、誰でも最初はやる気満々ですが、それはもって1週間。そして、嫌なことがあった、体調がすぐれないなどで気分は下がるばかりです。
私はモチベーションに頼らずに、『月曜日は○○をやる、火曜日は○○』というようにスケジュールを立て、淡々と履行していきました。気分が乗らなくても、決まり事だからとにかくやる。この方法だと、たとえ薄~い1ページでも、着実に積み重ねていけるんです」
人生をRPGだと思えば大抵のことはクリアできる
そうはいっても、「今日は絶対にやりたくない」という日だってあったのでは……。
「ありますね! そんなときは、ひたすらアメリカの連続ドラマを見ます。見続けるうちに、さすがに『そろそろやろうか……』と、我に返るときがくるので(笑い)」
学び直しの前後で、自分自身に変化があったという。
「できない言い訳をする前に『どうやったらできるだろう』と、解決策を考えるようになりました。初めの頃は、レポートの締め切りが迫ってくると『仕事が忙しい』『夫の具合が……』と、まず、出せない理由を考え始めていましたが、そのたびに『何のために大学に行ったの? 恩返しでしょ。言い訳を考えている時間があったらやりなさいよ』と、自分に言い聞かせていました。それが、あるときからゲーム感覚になってきた。
ゲームって、やり続けることで経験値が上がり、武器を入手できるようになり、強くなって障害を乗り越えていきますよね。私もその域に達したら、今度は楽しくなってきたんです。壁が高ければ高いほど『よっしゃー!』と気合が入るんです。それは勉強だけではなく、仕事や人間関係も同じ。人生もロールプレイングゲームだと思えば、大抵のことはクリアできます」