田代尚機のチャイナ・リサーチ

G20サミット 中国台頭の予感高まる

【4】国際貿易、投資による牽引作用を大きく引き上げ、開放型世界経済を構築する

 共同で「G20グループ・グローバル貿易成長戦略」と、今回が初めてとなるグローバルでの投資規則フレームワークである「G20グループ・グローバル投資指導原則」を制定した。引き続き多様な貿易体制を支持し、保護貿易主義に反対する。

【5】G20グループによる協力の成果や恩恵が世界全体に広がるように、包容力があり、連動するような発展を推し進める

 今回、初めて発展問題をグローバルマクロ政策のフレームワークとして突出した位置に置き、また、初めて2030年持続発展計画制定のための行動計画を立ち上げた。同時に、パリ協定をできるだけ早く実行することに同意し、「G20グループによるアフリカや最も発展の遅れた国家の工業化を支持する提案」、「グローバルなインフラ設備相互接続連盟の提案」などを発起した。

 8年前に国際金融危機が発生した際、G8(当時はロシアを含む8か国)だけでは対処が難しくなったことで、20か国の首脳クラスを集めたG20がグローバル世界の問題を話し合う最も影響力のある会議に昇格した経緯がある。

 そうしたG20の議長国として中国は、自国の考え方を世界全体に拡大する形でいろいろな提案を行った。

 初日の習近平国家主席が行った開幕宣言と、コンセンサスを見比べてみると、中国色が薄まった感があるものの、それでもコンセンサスの中には、イノベーションの徹底、グローバル経済・金融のガバナンス改善、包容力があり、恩恵が広く各国にいきわたるような発展の推進などは、中国らしさがにじみ出ている。

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