「同じような商品を扱う会社が複数ある場合、社長が出ることが1つの付加価値となって他社と差別化できる。また、頭髪の悩みなどのコンプレックス系商品では、同じ悩みを持つ社長だと、より信頼感が高まり、『どうせならこの社長の会社を頼ろう』という心理が消費者側に働くのもポイントです。
最近Amazonなどが人間味あふれるCMを志向しているのも、企業キャラクターが無機質に見えると消費者との関係がギスギスしたものになりかねないから。その点、企業キャラ、さらには社長の顔が見えると信頼感と安心感が生まれます。社長がCMに出ると悪質なクレームも減る傾向にあるようです」
顔の見えない時代だからこそ、安心と信頼を得られる社長CMが担う役割は大きい。
【プロフィール】
谷口優(たにぐち・ゆう)/『宣伝会議』編集長。2007年より月刊『宣伝会議』編集長に就任。現在は出版・担当取締役を兼務、社会情報大学院大学准教授。
※女性セブン2021年9月2日号