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【日本株週間見通し】日経平均はもみ合いか 今週は様子見ムード強まる可能性も

先週は大幅に下落した日経平均、今週はどう動く?

先週は大幅に下落した日経平均、今週はどう動く?

 投資情報会社・フィスコが、株式市場の8月16日~8月20日の動きを振り返りつつ、8月23日~8月27日の相場見通しを解説する。

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 先週の日経平均は大幅に下落した。米国の経済指標の下振れや日本国内での緊急事態宣言の延長・対象地域の追加が視野に入るなか、アフガニスタンを巡る地政学リスクの台頭も重なり、日経平均は週初16日から500円近くも大幅に下落した。

 17日も、米景気減速やコロナ感染動向が重しとなるなか、好決算を発表した東京エレクトロン<8035>が朝高後に失速したことが嫌気され、日経平均はまもなく下落に転じた。香港ハンセンなどアジア市場が大きく下落していたこもあり、引けにかけて下げ幅を拡げると、27424.47円と安値引けとなった。週半ばの18日、日経平均の27500円割れの値ごろ感が意識されるなか、自律反発狙いの買いも入り、160円高と反発。昼頃からは短期筋の買い戻しも入って上げ幅を拡げ、27500円を回復した。

 しかし、19日からは再び大きく崩れた。公表された7月開催分の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で年内にも量的緩和縮小(テーパリング)を開始する可能性が示唆されたことが嫌気された。引けにかけて下げ幅を拡げた米株市場の流れを引き継ぎ、日経平均は200円近く下げて始まった。27500円割れ水準での押し目買いや欧米対比での日本株の出遅れ感から下げ渋る場面も見られたが、香港ハンセン指数や台湾加権指数などが大きく下げるなか次第に日経平均も下げ幅を拡げる展開に。取引終盤には、トヨタ<7203>が「9月の世界生産を計画比で4割減らす」との報道が伝わり、投資家心理が急速に悪化、引けにかけて下げ足を速める展開となった。

 週末はトヨタショックの余波が波乱となった。同社系列メーカーの株価が軒並み急落したほか、資源関連株や好調だった海運株も大きく売り込まれた。アジア市場や時間外の米株価指数先物も軟調ななか、日経平均は前場寄り付きから大引けまで一本調子で下げる動きとなり、終盤には一時27000円を割り込む場面も見られた。しかし、直前の下げ渋りによって終値では同水準を維持した。

 今週の日経平均はもみ合いか。週後半からの金融政策イベントを前に、様子見ムードが強くなりそうだ。先週のトヨタの減産報道を受けて、新型コロナウイルス感染再拡大による企業業績の下押し懸念が急速に高まっている。世界経済の見通しを下方修正する各種機関も散見され、景気敏感株としての特性が強い日本株には大きな逆風だ。一方、先週の日経平均は一時27000円割れの場面が見られたものの、終値では同水準を維持した。27000円近辺は中長期的には割安感が意識される水準でもあるため、下値も限定的となりそうだ。

 26日から、カンザスシティ連銀が開催する経済シンポジウム“ジャクソンホール会議”が開催される。今後の金融政策に関するヒントを得ようと、投資家の注目が集まるため、週前半から様子見ムードが強くなりそうだ。

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