◆イギリス「音楽」とジョーク
松井:そんなイギリスですが、こと音楽や文化となると、ビートルズやロックの本場ということと、シェークスピア以外はあまり思いつくものがなくて……。
松田:作曲家では、20世紀に活躍したブリテン、エルガーなどは日本でも有名ですね。イギリス人は、300年以上も前に活躍したヘンリー・パーセルに強い誇りを持っているようですが。
松井:シリーズのタイトルである「変奏曲」の名曲のひとつ、エルガーの「エニグマ(謎)変奏曲」はメロディーが美しくて大好きです。小学校の音楽の授業で聴いた「青少年のための管弦楽入門」の正式タイトルも、確か「パーセルの何とか」だったのでは……。
松田:ブリテン作曲「パーセルの主題による変奏曲とフーガ」ですね。
松井:松田さん、まるで音大の先生みたいです(笑)。でも、なぜイギリスに有名な作曲家が少ないのですか?
松田:確かに、演奏家や劇場は超一流なのに不思議だなあ、と子供のころからずっと気になっていました。
松井:松田さんは、すごいことで悩む子供だったんですね(笑)。
松田:有力な考え方は、17世紀の「ピューリタン革命」のあと、宗教的な理由で庶民が音楽を楽しむ風習が途切れてしまった、というものです。一方、私は、イギリス人は創造的作業(作曲、絵画、料理)より実際的作業(演奏、研究)が得意で、「極上」のモノに接したければ、おカネを出してどこからでも呼べばいいじゃないか、という気風が強いからだと思います。
実際、ヘンデル、ハイドン、モーツァルトといったドイツ、オーストリアの大作曲家がイギリスで大歓迎されましたね。ウィンブルドンでの外国人テニス選手の活躍ぶりを見ても、同じことが言えるかもしれません。まあ、松田説などどうでもいいです(笑)。
松井:いえ、そういう話こそ、FXの世界を身近にしてくれるように思います。
■取材協力:『ピーターラビットTM ガーデンカフェ』(自由が丘本店)
※マネーポスト2016年秋号