年齢によって受け取れる年金の種類も変わる
日本の公的年金制度には様々な“上乗せ”がある一方、「申請主義」が原則のため、必要な手続きをしないと受け取れない。ひとつも漏らさないことが肝要となる。
たとえば元会社員の夫が65歳になって年金受給が始まった時点で、年下の専業主婦の妻がいれば、最大で年間約39万円が夫の年金に上乗せされる加給年金がある。妻が65歳になると、今度は妻の年金に振替加算が上乗せされる。年齢などの条件が変わることで、受け取れる年金が変わっていくのだ。
別掲の図1は夫が元会社員、妻が5歳年下の専業主婦のモデルケースで、どの年代でどういった年金を受け取れるかを整理したものだ。
ライフステージによって、夫婦で受け取れる年金の種類も、額も変化することがわかるし、夫ないし妻と死別した後の「ひとりの年金」でも、追加的に受け取れるケースがある。
「大切なのは、こうした仕組みをきちんと把握して、適切に手続きをすることです。どうすれば年金を増やし、漏れなく受給できるかを理解して実践することが、家計防衛の基礎となります」(北村氏)
※週刊ポスト2021年10月1日号