こうした場合に、毎月の受給額をさらに増やせるのが付加年金だ。
「毎月の国民年金保険料に400円上乗せすることで『200円×納付月数』が毎年の年金額に上乗せされます」(北村氏)
付加年金に5年間加入すれば、保険料はトータルで2万4000円になり、65歳以上で受け取る年金額は年1万2000円増える。2年間受給すれば元が取れて、あとは死ぬまで支給が続く(別掲図4参照)。
「本来、専業主婦(第3号被保険者)は付加年金に加入できませんが、A子さんのように60歳を過ぎてから任意加入で保険料を納めている間は、付加年金の保険料を支払えるようになり、将来の年金額を増やせるのです」(北村氏)
それぞれ手続きは、年金手帳と本人確認書類、預金通帳、銀行の届出印を持って年金事務所で手続きを行なう。
120万円の支援給付も
一方、所得が少なく年金の受給額が少ない自営業者などの夫婦の場合、年金生活者支援給付金が受け取れる可能性もある。
「前年の年金収入とその他所得の合計が88万1200円以下で、世帯全員が住民税非課税などの要件を満たすと、5030円を基準とした月額が年金に上乗せされる。妻が専業主婦で収入が基礎年金のみ(約78万円)の場合なども、要件を満たすケースがある」(北村氏)
基準額を65歳から85歳まで20年間受け取ると、トータルで約120万円。対象者には申請ハガキが送付されるので、見落とさないようにしたい。
イラスト/河南好美
※週刊ポスト2021年10月1日号