そして相場が一方向に動くには、フロー(資金の流れ)が必要です。テロによる長期的なユーロ圏の低迷は、政府系ファンドやペンションファンド(年金運用機関)のような大口投資家筋にユーロからドルに逃避的な資金移動を促すものと見ています。
ユーロ/ドルの当面のサポートは、1.0800であり、そして、1.0500も強いサポートとなるものと思われますが、ISの問題が解決する可能性は、極めて低いものと思われ、1.0000(パリティー、等価)を割ってさらに下げる可能性はかなり高いもの思われます。
解決の糸口は見えるのか
経済的合理性と相反するISとの闘いは、終わりの見えないだけに、ユーロ圏経済に、大きなダメージを与えることになるものと思われます。
これまで、中東でたびたび行われていた自爆テロが、ユーロ圏での同様の頻度で起こることになったら、とてもではありませんが、ユーロ圏には近づけません。
解決法がなかなか見つからないことだけに、厄介な問題だと思います(2016年8月1日執筆)。
※「マネーポスト」2016年秋号に掲載
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