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欧州で右派勢力伸長 一部投資家は日米に資金を退避

 ブレグジットに端を発したEUの混乱は、2017年にはいちだんと大きくなると想定している。その根拠は、EU加盟国の政治状況が相次ぐ総選挙を経て悪化する可能性が高いからだ。

 ここ数年、「極右」と呼ばれる過激な主張をする政党に代表される「右派ポピュリスト(大衆迎合)政党」が、EU各国で勢力を伸ばしつつある。移民政策などEUの基本政策に反対を表明する政治勢力だ。

 著しいのは、ハンガリー、オーストリア、フランス、ポーランド、ドイツといった国々で、すでにハンガリーでは、ポピュリスト政党の議席数は全議席数の3分の2程度、オーストリア、ポーランドでは3分の1程度に達している。

 そして、2017年をみると、3月にオランダ総選挙、6月にフランス総選挙、9月にドイツ総選挙が予定されており、いずれも次のようなポピュリスト政党の台頭が予測されている。

 オランダでは『PVV』(自由党)が第一党になる勢いとされ、フランスでは『FN』(国民戦線)、ドイツでは『AfD』(ドイツのための選択肢)といった政党が、野党第一党になる可能性が指摘されている。

 すでに、オランダとフランスの世論調査では、EU離脱を問う国民投票の実施に、国民の5割以上が賛成していることが判明しており、ポピュリスト政党の台頭によって、総選挙後に実施される可能性が浮上している。

 実施されるとなれば、EUの政治状況はますます混迷の度を深めるであろう。こうした状況を受けて、一部の欧州投資家は資金を米国や日本の市場にいち早く避難させているのである。

※マネーポスト2016年秋号

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