◆長期の問題になり得る懸念
このようにフランスに限らずユーロ圏は、ISとの闘いを強いられていますが、中でも一番問題をこじらせていることは、宗教が絡んでいることです。
イスラム国は、イスラム教が社会の中心にあります。宗教の怖さを端的に言えることは、(なにに対しても)妥協しない、終わらないということです。
つまり経済合理性では、説明ができない世界からユーロ圏は攻撃を受けているということです。それが、今ユーロ圏で始まっていることに、深い懸念を覚えます。
したがって、この攻撃は、場合によっては宗教戦争のように何十年という単位で続く可能性すらあります。それによる、ユーロ圏経済に与えるダメージは、ボディーブローのように効いてくるものと思われます。
EU(欧州連合)の理念としてきた「域内の人や物の自由な移動」も、国境検問がテロ対策から既に厳しくなっていることで、事実、簡単ではなくなっています。域外からの観光客も激減するものと思われます。
世界一の観光立国フランスにとっては、大きなダメージになることでしょう。そして、観光客のみならず、地元民も、おちおち外出もできなくなることは言うまでもないことだと思います。