ベータ値とは、株式市場に対する個別銘柄の株価の反応度を指す。具体的には、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)といった株価指数が変動したときに、個別銘柄がどの程度変動するかを数値で表わしている。
例えば、ベータ値の数値が「1」の銘柄は、TOPIXが1%上昇すると1%上昇し、1%下落すれば1%下落するというように、TOPIXと同じ値動きをすることを意味する。
ベータ値が「2」の銘柄は、TOPIXが1%変動するとその2倍の2%変動し、ベータ値が「0.5」の銘柄であれば、1%の変動に対して0.5%変動する。
また、ベータ値がマイナスとなる銘柄も存在するが、これはTOPIXが上昇すると下落するといったように、逆相関の関係になっている銘柄である。
ベータ値は、個別銘柄のリスクを知るために参考にされる。「1」なら株価指数と同程度のリスクであり、「1」以下なら株価指数よりもリスクが低いことになる。
外国人投資家は、従来のディフェンシブ株よりも、さらにリスクが低いディフェンシブ株を買っているわけだ。
実際に、運用額で世界最大手クラスの投資信託運用会社は、日本の低ベータ銘柄の中から、ROA(総資本利益率)が高く、EPS(1株あたり利益)伸び率の高い銘柄をピックアップしたファンドを外国人投資家に提供している。
さらに、別の大手投信も同様のファンド組成を進めているようだ。