あるファンドマネージャーからは、「日本のシクリカル銘柄は世界最弱だが、低ベータ、高ROA、高EPS伸び率の新ディフェンシブ銘柄は最強だ」といった声も聞かれる。
経済が縮小均衡するデフレ下にあって収益を出し続けている、日本のディフェンシブ株に対する評価は高い。
ディフェンシブ株であるだけに、それほど大きな上昇は見込めないものの、「日本株は下値が他国市場に比べ顕著に堅くなり、投資環境の相対的優位性が高まった」と語る投資家は多く、その中には、世界最大のヘッジファンド・ブリッジウォーター社のレイモンド・ダリオ氏も含まれている。
欧州からの資金流入に加え、日銀が7月の金融政策決定会合で、株価指数連動型のETF(上場投資信託)の買い入れを、年間3.3兆円から6兆円に増額した。
この追加緩和を受けて、海外の投機勢は、日本株の売り仕掛けは当面見送るとする向きが多い。
英国のEU離脱協議の本格化や各国の総選挙など2017年のEUの政治的混乱が顕在化するまでは、日本株は底堅い展開が続くだろう。
※マネーポスト2016年秋号