スワップ金利に着目すれば、両国の水準はかなり魅力的だ。FXならレバレッジをかけられるので、計算上はレバレッジ10倍なら年利70%以上、25倍なら175%以上のスワップ金利を受け取ることになる。
こうした高いスワップ金利を狙う取引は、「ほったらかしでもOK」というイメージが強いせいか、特に投資初心者に人気がある。
しかし、現実にはほったらかしで確実に儲け続けられる方法などあるわけがない。今回の騒ぎに巻き込まれたのは主に、FXのリスクを十分に理解しないまま、安易にロングのポジションを積み上げていた投資家だと考えられる。
◆金利のみを享受する「裏ワザ」に潜むリスク
そもそも、トルコや南アフリカの政策金利が高いことには理由がある。
いずれも恒常的な経常赤字国であり、インフレ率は高止まりしている。トルコは輸出できるような有力な資源もなく、金利を高く設定しなければ外貨を呼び込むことができない。
一方、資源国である南アフリカも、資源安などを背景にランドは史上最安値圏にある。
また、いずれの通貨も取引コストであるスプレッドが主要通貨に比べるとかなり広くなっている点にも注意したい。100円前後のドル円のスプレッドが0.3銭程度であるのに対し、7円台のランド円のスプレッドには片道1銭以上かかるため、その分、コストが高いことがわかる。