ここで「暴落」の定義は、「東証1部の騰落レシオ(10日間)が50以下となったとき」とした。騰落レシオとは、市場の値下がり銘柄数に対する値上がり銘柄数の比率から「買われすぎ、売られすぎ」などの過熱感を見る指標だ。値上がり銘柄数を値下がり銘柄数で割って算出する。
暴落局面をはかる指標としては移動平均乖離率やRSIなど、様々あるが、それらのような上昇幅・下落幅を使った指標より、銘柄数で算出された騰落レシオのほうが、シミュレーションの結果、より的確にその後のリバウンドを捉えることができた。
◆短期のリバウンドを狙うならマザーズ銘柄か
まず、東証1部の騰落レシオ(10日間)が50以下になった日の翌営業日の寄り付きで株を購入したとする。「短期的なリバウンド」を狙う場合は株を買った日を含めて5営業日保有し、その翌営業日の寄り付きで手仕舞いするというシミュレーションを行なった。
バックテストの期間は2000年1月4日から2016年6月30日まで。この期間で東証1部の騰落レシオが50以下になったのは合計37回あった。大雑把にいえば、年に2~3回起きる暴落局面と考えればいいだろう。
「短期的なリバウンド」の結果を見てみよう。初期条件の通り、購入したら5営業日保有し、翌営業日に売却すると、総取引回数約26万回のうち約17万回で利益が出て、約9万回で損失となった。勝率は約65.24%で、平均利益は6.38%、平均損失は4.43%。利益期待値は2.62%だった。
これだけでも悪くはない結果であるが、「市場別」で見るとより効率よくリバウンドを狙うことができる。