厚生労働省は9月13日、2015年度の概算医療費が前年度から3.8%増加して41兆5000億円となったことを発表した。13年連続での過去最高額更新となり、高齢化の深刻化によって今後も更新していくと見られる。
2025年には団塊の世代が75歳を超え、国民の5人に1人が後期高齢者となる「2025年問題」も懸念されている。75歳以上になると医療や介護のニーズが急激に増加する。
国民一人当たりの医療費を見ても、75歳未満の年間21.1万円から75歳以上になると93.1万円まで一気に跳ね上がる。全年代の平均値である31.4万円に対して、およそ3倍の規模だ(2014年度厚生労働省概算医療費)。
また後期高齢者は、医療費の自己負担が1割となるために、75歳以上の人口急増は国の財政を直接圧迫する。国民皆保険制度を維持するには医療費増大に歯止めをかけなければならない。
今回発表された医療費のうち、最も高い伸び率を示したのが調剤費の7.9兆円で、前年比9.4%の増加となった。この対策としては、薬価改定や調剤薬局の報酬制度などが後押しする「ジェネリック医薬品の使用推進」策が挙げられる。ジェネリック医薬品の使用率は前年度比4.7ポイント上昇の63.1%(2015年度末時点)と順調に拡大している。