バブル前の日本市場には、悪い部分もあった。証券会社による大量推奨販売や、インサイダー取引、仕手筋による株価操作、風説の流布の横行など、明らかにただすべきところがあった。しかし、当時のほとんどの個人投資家は日本の将来に希望を持っていた。日本の将来を担う企業を探そうと、いろいろな材料を追いかけることができた。
本土市場では、電気充電スタンド、自動車間インターネット、ビッグデータ、電子商取引、風力発電、太陽光発電、ごみ処理発電、環境関連、インターネット金融、DNA分析、ロボット、リチウム電池、量子通信、OLED、人工知能、グラフェン、バイオ医薬、テスラー関連、炭素繊維、モノのインターネット、コミューター、衛星ナビゲーション、AR・VR、クラウド、モバイルインターネット、スマートシティ、スマートグリッドなど、将来の中国経済の成長を織り込むような材料がたくさん見られる。
本土投資家たちがマクロ統計には目もくれず、ひたすら将来の成長企業を探そうとしている点においては、非常にわかりやすい投資行動といえるだろう。
文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサルティングなどを行うTS・チャイナ・リサーチ代表。ブログ「中国株なら俺に聞け!!」、メルマガ「週刊中国株投資戦略レポート」も展開中。