9月に中間決算を迎えた東証1部上場企業全体の純利益は前年比2倍以上だったとされる。国民がコロナで自粛していた間にも日本企業は先に「V字回復」を果たしていたことがわかる。
なかでも注目されるのは自動車と海運。自動車産業は前述のように部品不足で減産が続いているにもかかわらず、トヨタといすゞは過去最高益、ホンダ、スズキ、スバルは増益、日産自動車、マツダ、三菱自動車の3社も黒字に転換した。今後、半導体など部品供給が安定すれば、さらなる売上の急拡大が期待できる。
海運はポストコロナで国際貿易が回復し、世界的にコンテナ船の運賃が高騰したことで稼いでいる。日本郵船は当初1400億円と見込んでいた年間の純利益予想を5回上方修正し、前年比5倍以上の7100億円に引き上げた。「モノ」は動きだしていたのだ。
※週刊ポスト2021年12月3日号