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結婚相手の両親が「結納金300万円」を要求 拒否することはできるのか?

結納金を求められた場合、断っても良いものなのか?(イメージ)

結納金を求められた場合、断っても良いものなのか?(イメージ)

 結婚は家族同士でするもの──そんな考えは過去のものとなり、あくまでも当人の自由として結婚をするカップルも多い昨今。しかし、なかには結婚に関するさまざまなしきたりや風習に従うべきだという考えの人もいる。例えば「結納金」。最近では結納金を収めるケースは減ってきているようだが、もしも結婚相手の両親から結納金を求められた場合、拒否することはできるのだろうか。弁護士の竹下正己氏が実際の相談に回答する形で解説する。

【相談】
 交際2年の彼女と結婚しようと思っています。でも、問題がひとつ。彼女の両親が先日、私だけを呼び出し、「結納金300万円を持参しなさい」といってきたのです。お金は用意できますが、今の時代に結納金といわれても、戸惑います。彼女に相談したら、心配させてしまいますし、やはり払うべきですか。

【回答】
「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し」(憲法24条)とされているように、2人で結婚を決めるのが当然のこと。そして、意思の一致は共通の認識が前提ですから、彼女に相談すべき。もし、彼女が結納に拘れば、あなたの考え方次第です。そうではなく、彼女が結納不要との意見なら、父親や親戚同士の付き合いが難しくなるのを覚悟の上、結納をわたさずに、結婚すればよいのではありませんか。

 ただ、彼女に相談する前に、父親に結納に固執する理由を確認したほうがよいでしょう。最高裁が「結納は、婚約の成立を確証し、あわせて、婚姻が成立した場合に当事者ないし当事者両家間の情誼を厚くする目的で授受される一種の贈与である」と説明しているからです。婚約成立を証する目的ですから、結婚できなければ、目的不達成になり、返却されます。しかし、結納をわたしたほうの責任で婚約破棄になった場合は、「返せ」といえません。この結納の役割から、父親はあなたの熱意に不安があり、真剣さの担保として、結納を求めているかもしれません。

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