その場合、父親に気持ちを理解してもらえるよう努力することが必要です。他にも、結納を使って彼女に豪華な嫁入り支度をさせるつもりかもしれず、この場合は、2人の描く結婚後の暮らしぶりを説明し、過度な心遣いの必要がないことを2人で説得するのも有効です。逆に、新婚生活の準備に遣うお金として、気持ちよく結納をしてもよいと思います。
ただし、その地方の慣習や世間体だけを理由に要求するのであれば、冒頭のとおり、婚姻は両性の合意のみによるものなので、改めて彼女と相談してみてください。
もっとも、本当に彼女と結婚したくて、資金の用意ができるのであれば、私はお金を惜しむべきではない、と考えます。
【プロフィール】
竹下正己(たけした・まさみ)/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。
※週刊ポスト2021年12月3日号