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広まる卵子提供・精子バンク 選択的シングルマザーは15年で約3倍に

体外受精で生まれる子は年々増えている

体外受精で生まれる子は年々増えている

 不妊に悩む夫婦の割合が年々増えている。国立社会保障・人口問題研究所の調査によると、子供がいない夫婦の半数が不妊に悩み、全体の30%近くが、実際に不妊の検査や治療を受けたことがある。

 38才から芸人として活動してきた、なかさとみさんもその1人だ。39才のときに再婚し、現在50才。2人の子供を育てているなかさんは、42才のときに子宮頸がんの手術を受けるも、翌年に再発。子供を産まないまま子宮を切除しなければならないかもしれないと考え、頭を殴られた気持ちになったという。

「将来的に切除の可能性も考えて夫婦で話し合い、すぐに不妊治療を始めました。でも、専門のクリニックで4回、体外受精に挑戦してもうまくいかなかった。“当院での治療は今日で終わりです。養子縁組か卵子提供をおすすめします”と言われてしまったんです」(なかさん・以下同)

 野村証券の最新調査によれば、体外受精の費用は平均50万円ほど。受精に失敗すればするほど、その回数分だけお金をつぎ込むことになる。なかさん夫婦は養子縁組も検討したが、その要件も厳しかったという。

「公的制度で縁組するためには、里親研修が必須。また、里親に選ばれるためには、専業主婦の方が望ましいとされ、共働きのわが家では難しかった。やっぱり、自分で産みたいという思いも強く、夫と話し合って、わらにもすがる思いで、卵子提供を受けることに決めました」

同性婚でも生涯独身でも子供を持てる

 卵子提供とは、第三者の女性から提供を受けた卵子で夫の精子との体外受精によって受精卵をつくり、それを妻の子宮に移植する方法だ。

 一方、日本で初めての精子提供による非配偶者間人工授精(以下、AID)は1948年に慶応義塾大学病院で行われ、“第一号”となった赤ちゃんは翌年に生まれている。

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