長らく続いたコロナ禍の自粛生活は、人々の働き方や買い物、エンタメにファッションなど、さまざまな分野・業界の在り方を劇的に変えた。このまま新型コロナウイルスの流行が落ち着くなら、来たる2022年には何が起こるのだろうか。教育面で起こりうる変化について、専門家に聞いた。
外出自粛のあおりを受けて変革したのは、学校教育も同じだ。名古屋大学准教授で教育社会学者の内田良さんが言う。
「リモート授業の開始に伴って、対面授業でもパソコンやタブレットを利用するのが当たり前になり、2021年は教育の“地殻変動”が起きました。ただし、いまはまだ導入されたばかり。災害時や不登校の児童・生徒の学習に役立てるなど、本格的に生かせるようになるのは2022年でしょう」
現在、学校で使われるデバイスには、不適切なコンテンツが閲覧できないよう、規制がかかっている場合がほとんどだ。しかし、内田さんは2022年以降、この規制に賛否が起こると期待する。
「“ダメ”と言われれば破りたくなるもので、どこの学校でも、子供たちの間では、ロックを解除する裏技が流通しています。こうした規制をあえてなくし、インターネット上のさまざまなリスクを教えて自立できるように導く方が、かえってよい影響を与えるのではないでしょうか」(内田さん・以下同)
内田さんがデジタル機器の浸透以上に注目するのが“校則革命”だ。ジェンダーフリーの考え方から、2021年より、男女どちらの制服も生徒が自由に選べる学校が増えてきている。
「制服だけでなく、かばんは卒業後にも使える市販品を使用できるようになるほか、真冬なのにコートの着用を禁止したり、女子生徒の下着の色まで指定するような理不尽な校則はようやくなくなるでしょう。子供たちを締めつける1980年代のような教育は時代遅れで、ムダな規律をなくすべきだと、やっと学校側の理解が進んできた」
「ブラック校則」からの卒業が、いよいよ本格化してくるか。
※女性セブン2022年1月6・13日号