中国では男の子を欲しがる親が多いが、一人っ子政策がそうした欲求を増幅させたことで、人工中絶を通じて、歪な人口構成が形成されている。
若者たちの間で発生している男女間人口比率の不均衡は婚姻面で大きな問題を引き起こしている。
相手選びで優位にある女性は結婚の条件として、住宅の所有を第一とする。日本人には大げさに聞こえるだろうが、これは事実である。中国本土のどの地域においても、結婚に際して男性は、両親や祖父母、親戚が援助する形を含め、新居を購入しようとする。男子や一族にとって、新居は子孫を次の世代に残すために必要不可欠なものとなっている。
こうした構造的な要因で強い実需が発生しているからこそ、投機が蔓延する。
上海ではこの夏、離婚件数が大幅に増えたそうである。不動産購入制限が復活しそうだといった見通しが強まり、1世帯1住宅(2住宅とするところもある)といった大原則を潜り抜けるために、偽装離婚を急ぐ夫婦が増えているためと考えられる。
投機需要は社会の隅々まで広がっており、根の深い問題である。