日本では、価格の急上昇や不動産在庫の多さをもって、日本のバブル崩壊との類似性を強調する意見が多いが、これには強い違和感がある。
不動産価格上昇の要因は、男女比率の不均衡だけではない。人口移動が長期にわたり続く可能性が高いことも要因の一つである。
2015年における中国の一人当たりGDPは7990ドルで世界76位である。順位を落とし続けて26位となっている日本と比較しても、中国はその約4分の1に過ぎない(IMFデータより)。
都市と農村、沿岸と内陸との間に大きな経済格差がある以上、今後も人口移動が続く。表現を変えれば、農村、内陸において依然として大きな過剰労働力が存在しており、それが都市、沿海部に向かうことで不均衡、非効率が解消される。
こうした経済の大きな流れは、潜在成長率が低下してバブル崩壊が起きた当時の日本と全く異なる。