どんなに大きな物でも、見つからない時はある
現在は大学で教鞭をとるしっかり者のUさん(50代、女性)は、優勝旗と似たようなサイズのものをなくした。
「大学時代、私はスキー部に所属していました。冬の合宿は1か月近くスキー場に泊まり込み、ホテルのバイトをしながら、休憩時間にひたすら滑りまくる生活。当時はスキーが大ブームで、スキー場はとんでもなく混んでおり、板置き場も殺人的に混むので、部員たちは皆、屋外にスキー板を置いていました。
しかしある朝、自分のスキー板を取りに行くと、板がありません。前日にドカ雪が降り、除雪車の通るコースが変わったようで、板が雪に埋もれてしまったのです。宿でスコップを借り、一帯を2~3時間掘りまくりましたが見つからず、春になってもスキー場から連絡はありませんでした」(Uさん)
サイズ的に最大級のものを“なくし”かけたのはHさん(30代女性、金融)だ。
「免許を取り立ての頃、レンタカーでショッピングモールに行った時のことです。GWで駐車場は大混雑していて、車を停めるまでに1時間以上かかり、ようやく車を停めた後はトイレに駆け込みました。そして安心して買い物をして、いざ帰る時になったら停めた場所が分からないのです。
元から方向音痴で、駐車場を散々ウロウロしたので、最終的にどこに停めたかどうかはあやふや。車種はもちろん、車の色さえ覚えていません。キーに車のナンバーが書いてあったのがせめてもの救いですが、駐車場には数千台の車が停まっています。
友人と手分けして1時間以上探したものの見つからず、警備員さんに泣きつくと、『リモコンキーを押しまくってみろ』とのこと。そこで、あらゆる方向に向けてボタンを押しまくっていたら、5分ほどで見つかりました」(Hさん)
警備員さんによれば、1日に1人か2人はそういう客がいるそうで、「自分の車でも分からなくなる人はいる」のだとか。
別のパターンで車をなくしかけたのはAさん(60代男性、食品)だ。
「車で外回りをしていた時、大渋滞にあってしまい、コインパーキングに車を置いてお客さんの所に向かいました。その日はそのまま会社に戻り、翌日に車を取りに行くと、置いた場所が分かりません。アポに遅刻しないことに気を取られ、車を置いた場所を忘れてしまったのです。
どうしても見つからないので交番に行きましたが、『盗難じゃないなら対応しようがない』『コインパーキングに停めてるなら、駐車違反にもならないしね~』と言われてしまい、自力で探しまくること4時間。記憶とは全然違う所に停めていました。営業者が少し特徴的な青い色だったのでまだ見つけられましたが、白だったら絶対無理だった気がします」(Aさん)
Aさんはそれ以来、周囲の人に「車は絶対に派手な色がいいぞ」と言いまくっているそうだ。