住まい・不動産

東京23区の平均所得事情 足立区347万円は全国区なら「中の上」

東京23区、1人あたりの課税対象所得額ランキング(2019年)

東京23区、1人あたりの課税対象所得額ランキング(2019年)

「世田谷に家を買いました」と聞けば「まあ、お金持ち」。「浅草生まれです」と聞けば「江戸っ子なのね」──同じ東京都内でも、その土地ごとに、まったく異なるイメージが染みついている。だが、そのイメージは必ずしも、いまの実態とは一致しない面があるという。

 港区・白金台で暮らすリッチな奥さま「シロガネーゼ」に、世田谷区・二子玉川でショッピングを楽しむ「ニコタマダム」。流行の発信地の新宿、渋谷はもちろん、いまやサブカルの聖地となった中野、池袋、情緒あふれる葛飾、墨田、台東。23区外では、近年わずかに変動がみられるものの、吉祥寺(武蔵野市)が長く「首都圏の住みたい街ランキング」の首位を独占してきた。

 東京の街にはいずれも固有のイメージがあるが、多くの人が思い描く東京の街のイメージは、実情とは異なる。

 現在、23区の平均所得(2019年)を比べると、1位に君臨するのはやはり港区。南青山、六本木、赤坂、高輪、白金台といった高級住宅街を擁する、東京イチのセレブタウンだ。一方、このランキングの最下位には、一貫して足立区の名があり、港区との差は実に約3.5倍にもなる。足立区は23区で最も都営住宅が多く、実に10世帯に1世帯が都営住宅に住んでいるという。

 だが、それだけで「足立区の人は貧しい」などと判断するのは早計だ。東京23区研究所所長で都市開発コンサルタントの池田利道さんが言う。

「確かに、足立区には家賃の安い公営住宅が多いため、平均所得が高くないのは自然だと言えます。しかし、足立区の平均所得347万円は、額面収入に置き換えれば500万円を超える。全国区で見れば、足立区の平均収入は“中の上”なのです。むしろ、“平均所得1217万円”という港区が高すぎる」

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