非正規社員たちによる正社員への陰口がすごい
正社員と契約社員で軋轢が生じるケースは少なくないようだ。外資系企業で働く40代女性・Cさんは、以前、日本のある企業に入社した時のことを振り返る。
「『君の実力だと本来は正社員採用だけど、うちの女性は契約社員や派遣社員が多いので、最初は契約社員スタートで』という打診を受けました。意味不明でしたが、正社員登用を約束してもらい、待遇面もアップさせるとのことでしたので、会社を信じて入社しました」(Cさん)
契約社員として入社後、Cさんが目の当たりにしたのは、非正規社員の女性たちによる正社員への陰口や嫌がらせの存在だった。
「『あの程度のスキルなのに正社員』『私の方が仕事量こなしているのに……』という言葉や、普通の指導を『パワハラ』呼ばわりして上に報告するなど、なかなか闇深い職場でした。どうやら最初から私を正社員で登用しなかったのは、彼女たちの“攻撃”から守るためという側面もあったようです。約束通り6か月後、正社員登用の話をもらいましたが、お断わりして会社を辞めました」(Cさん)
本社から子会社に出向して感じた“線引き”
軋轢は、本社と子会社の社員間でも生じる。食品メーカーに勤める30代男性・Dさんは、子会社採用の人たちから、「お前は本社採用」という“線引き”をヒシヒシと感じたことがあるという。
「『なんでこんなところに来たの? 飛ばされたの?』と言われるのは鉄板(笑)。何か問題が生じると、『“本社様”はいいよな』『子会社の業績が悪くなっても自分は戻れるし、いいご身分』『どうせ2年ぐらいで本社に戻るんでしょ』などと言いたい放題。
ただ、彼らも親会社の存在を利用している面もあった。所属会社を名乗る時、『○○社ですが』といきなり言うのではなく、『△△の100%子会社で…』という枕詞をつけたほうが相手に信用してもらいやすいですし、不動産や車などの大きな買い物をする時や、クレジットカードを作る時は審査も通りやすいらしい。だったらもう少し、“本社の人”に優しくしてほしかったです……。
ちなみに子会社の契約女性社員たちは、“本社の男性”を捕まえようとすべく、ギラギラしていて怖かったです(笑)」(Dさん)
同じ組織で仕事する仲間だと思っていても、学歴差や待遇差があると、嫉妬や軋轢が生まれやすいもの。そんな目に見えない感情に苦労している人たちは少なくないようだ。