黒竜江省出身の金社長はこう続ける。
「(中国からの)医療ツーリズムなど観光客向けの商売がなくなり、不動産ビジネスも本国のお客さんが減った。だから、日本で商売している中国人投資家のお金が飲食店に流れているかもしれない。今はコロナで様々な融資を受けやすいから2000万~3000万円あれば飲食ビジネスを始められます」
コロナ禍で空き店舗が増えたことに加えて、店舗を借りる際のハードルが下がったことも追い風となっているようだ。
同じく池袋に本店を構える「四川麻辣湯」の女性オーナーはこう語る。
「うちは去年5月に渋谷の一等地、センター街に新店舗を出しましたよ。コロナ前は審査が厳しかったから外国人が良い物権を借りることはまずできなかった、特に1階の路面店は無理でしたが、今は競争が少なくなったので外国人でも借りられるチャンスが増えた。家賃は下がらないけれど、それまで保証金が家賃8か月~1年分くらい必要だったのが半年分くらいで済んだ。この(池袋店舗の)隣の店も焼き鳥屋さんだったけど、コロナ禍になって刀削麺の店に変わった。コロナ中のオープンはリスクもあるけど、チャンスだと思う」
取材協力/西谷格(ジャーナリスト)
※週刊ポスト2022年2月11日号