とはいえ、あなたも1、2個ならがまんしていたのでしょうが、多数個では怒りはもっともです。しかも、大量に盗むというのであれば、庭にある程度の時間侵入して、犯行をした可能性も否めません。塀で囲った敷地の中に入り込んだのであれば、建造物侵入にもなり、物騒です。今後、“レモン泥棒”程度で済まない被害に遭いかねない心配もあります。
そこで、警察に相談して防犯方法の助言を受けることをおすすめします。庭先といっても、塀などがなく、公道から手を伸ばせるような場合、「自生の木で特定の人の果樹とは思わないのでもいだ」と主張されれば、窃盗の故意が否定される可能性すらあります。
こうした場合は、警察の支援を受ける前に、あなたの所有であることを明示して採取を禁じ、採れば警察に通報する旨の警告を掲示したり、柵を設けるなどの自衛策が必要だと思います。
【プロフィール】
竹下正己/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。射手座、B型。
※女性セブン2022年3月17日号