ロシアのウクライナ侵攻による地政学リスクの高まりを受け、株式市場には急落の懸念がある。3月には米国で利上げが実施される見通しで、先行きは不透明だ。危機的状況下で資産を守り、増やすには、専門家の知見が必要になる。経済アナリストの馬渕磨理子氏、タレントで投資家としても知られる若林史江氏、杉原杏璃氏の3人が座談会を開催した──。【全4回の第1回】
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若林:投資はまず怖がらずに始めてみることが大切。私の場合は父の会社が倒産して大学進学を諦めて、たまたま就職したのが投資顧問会社だったの。何もわからないのに、先輩から言われて株を買ってみたら、運よく上がって、やみつきになったんですよ。そこからのめり込んで、痛い思いも含めてとにかく色々と経験して覚えていった。
馬渕:私は京大の大学院卒なんですが、就活にことごとく失敗して……。
若林・杉原:えっ! 京大出で、そんなに美人なのに?
馬渕:いやいや……。それでどん底まで落ち込んでいたら、どうにか拾ってもらえたのが関西の医療法人でした。そこで資産の運用をすることになって、投資経験もなくて怖かったんですが、「自分はもう崖っぷちだから」と思い切るしかなかった。
ちょうど2013年からアベノミクス相場が立ち上がったところで、時期もよかった。思い込みで相場を読み違えたこともありましたが、2年半ほどどうにかこなして、その後アナリストに転身したんです。
若林:人生、山あり谷ありだよね。杉原さんはタレントさんなのに、なんで?
杉原:23歳の時に貯金が底をついてきて芸能活動だけでは暮らしていけないと思って、たまたまネット証券が流行り始めていると聞いたんです。何も知らずに株の本を1冊だけ読んで始めてみたら、小泉政権下の2005年で相場もよかった。元手30万円くらいで始めて、利益を積み重ねたら生活の足しになってきて、5年で1000万円を超えるくらいになりました。