中国の建国記念日「国慶節」の大型連休中に起きた最大の“事件”は、各地で不動産コントロール政策が発動されたことであろう。
9月30日から10月6日にかけて、わずか7日で、南京、厦門、深セン、蘇州、合肥、無錫、天津、北京、成都、鄭州、済南、武漢、広州、仏山、南寧、珠海、東莞、福州、恵州など19都市で不動産価格コントロール政策が発動された。9月下旬に発表された杭州、南京を加えれば、すでに21都市でコントロール政策が発動されている。
9月19日に発表された8月における70大中都市住宅販売価格変動状況調査では、前月と比べ64都市で価格が上昇しているが、上昇率の高い都市において、軒並み政策が打ち出されている。
いずれも、一般世帯が複数の住宅を購入するのを防ぐための政策である。社会全体に蔓延する投機は深刻である。さらに、悲観的な見方をすれば、当局は金融引き締め政策を発動しかねない。
8月の経済統計、9月のPMI(製造業、非製造業)の動きなどを見る限り、景気は緩やかに回復基調にあるが、中国経済にはリスク要因がある。