不動産価格を抑制しようとする政策は中国経済にとってプラスとなる政策である。供給側改革についても中国経済の質を良くするための政策といえる。足元の景気に対しては抑制的な政策だが、中国経済の長期的な発展を促す政策であり、後者をより重視する投資家が多いのであろう。
国際市場では「10月危機」が叫ばれるなど、見通しが不安定だ。アメリカ大統領選挙の結果、ドイツ銀行の経営不安、EU、日本経済の動向や、各国の金融政策の有効性など、懸念材料は多い。しかし、中国リスクについては当面、大きな問題として浮上する懸念は少ないかもしれない。
文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサルティングなどを行うTS・チャイナ・リサーチ代表。ブログ「中国株なら俺に聞け!!」、メルマガ「週刊中国株投資戦略レポート」も展開中。