金融機関から一転、農業への道へ
現在農業関係の仕事に携わる40代男性・Cさんは、難関国立大学を卒業後、都市銀行に就職。そのまま金融業界でキャリアを積みコンサルタント業務に従事するなど、エリート街道を突き進んでいた。だが、ふと今後のキャリアに違和感を抱いた。
「忙しくも充実した日々でしたが、このままキャリアを築くより、違った働き方をしてみたいという思いもありました。そんな時、子供が成人を迎え、以前から興味があった農業分野への思いが強まり、飛び込むことにしました。貯金は十分にありましたから、家族も理解してくれました。
とはいえ不安があったのも確かです。でも、転職経験のある知り合いに相談すると『20年以上キャリアがあるんだから、1、2年やってみてダメだったら戻ってくればいい』と。逆に、『40代の今やってみたいことに挑戦しないと、この先ずっと“農業をやってみたかった”と言い続ける人生になるよ』とも。本当にその通りで、やってダメならまだしも、やらずにグチグチ言い続けるのはかっこ悪いですもんね」(Cさん)
誰もがうらやむような大企業であっても、辞める人にはそれぞれの理由と覚悟があるようだ。