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アサヒホールディングス:パラジウム関連銘柄の本命として注目

アサヒホールディングス(5857):市場平均予想(単位:百万円)

アサヒホールディングス(5857):市場平均予想(単位:百万円)

企業概要

 アサヒホールディングス(5857)は、主に貴金属リサイクル事業を行う企業です。

 1952年に「朝日化学研究所」として写真廃液から銀をリサイクルする事業、および写真廃液を無害化する事業で創業。それからリサイクル事業は回収分野を写真廃液から歯科、宝飾、電子、自動車触媒などに拡大。また写真廃液の無害化処理事業は現在、難処理物を主な対象に無害化等適正処理と再資源化を行う環境保全事業として展開しています。

 事業セグメントは、この「貴金属事業(貴金属リサイクル・貴金属精錬)」と「環境保全事業」の2つ。主力は貴金属事業で、2021年3月期においては売上の88%を占めました。貴金属事業はさらに「貴金属リサイクル」と「貴金属精錬」の2つに分けられます。

注目ポイント

 貴金属リサイクルをけん引役に、2021/3期には過去最高業績を記録するなど、業績は快調です。同社は1952年の創業以来、事業の撤退(スクラップ)と新規事業への進出(ビルド)を行ってきました。最近の動向では、スクラップに関しては例え黒字でも惜しげなく実行しており、祖業である写真感材事業も2018年に撤退。その一方ではM&Aを積極的に行い、2015年に英国のジョンソンマッセイ社から米国・ユタ州とカナダ・オンタリオ州に事業拠点を持つ精錬事業を買収。2019年に米国・フロリダ州のリパブリックメタル社の資産買収を行い、コインやバー形状の貴金属製品を製作する事業資産を取得しています。これらが最高業績という実を結んだといえます。

 スクラップ&ビルドを積極的に行えるのも、精錬手数料という固定的な安定収益源があるからこそ。回収量が増えれば増えるほど、手数料収入が増加するという構造です。同社は業界最大手であるアドバンテージに加え、北米モデルの展開がさらなる収益性向上をもたらすと思われます。

 北米精錬部門の、貴金属精錬という事業をプラットフォームに金融サービス事業やミンティング事業を展開するビジネスモデルが中長期での成長要素となると見られます。また、脱炭素化社会の実現に向けた世界的な需要動向も、追い風になりそうです。

 現在、金の世界供給のうち約25%がリサイクルで賄われているとのこと。同社は21/3期に210トンもの貴金属をリサイクルしたことで、50万トンを超えるCO2排出削減を実現したといいます。鉱物由来の排出量と比べ、リサイクル由来のCO2排出量は約10分の1と言われますので、今後リサイクル貴金属への需要は上がり基調であることは間違いないといえます。

【プロフィール】戸松信博(とまつ・のぶひろ):1973年生まれ。グローバルリンクアドバイザーズ代表。鋭い市場分析と自ら現地訪問を頻繁に繰り返す銘柄分析スタイルが口コミで広がり、メルマガ購読者数は3万人以上に達する。最新の注目銘柄、相場見通しはメルマガ「日本株通信」にて配信中。

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