中国人観光客を中心に日本製品を買い漁る「爆買い」が急減速している。日本百貨店協会がまとめた8月の免税品売上高は前年同月比26.6%減と5か月連続の前年割れ。今年1月27日に三越銀座店の8階に鳴り物入りでオープンした免税店「Japan Duty Free GINZA」などは、すでに閑散としているという。
2009年に中国企業傘下となり、家電量販店から総合免税店に転換した「ラオックス」は2015年12月期に過去最高となる80億円の純利益を叩き出したが、今年に入って業績は一変。今中間期(1~6月)は売上高が前年同期比22.4%の減収、純利益は4.6億円の赤字に転落している。深刻なのは平均客単価の落ち込みだ。同社の月次状況報告を見ると、平均顧客単価は昨年4月の3万9021円をピークに、今年8月は2万61円と5割近く下落。
1台10万円以上する高級炊飯器を4~5台まとめ買いするなど、文字通り「爆買い」に走っていた中国人観光客が、円高進行や中国当局の関税引き上げの影響を受け、高額品に手を出さなくなっていることがうかがえる。
百聞は一見に如かず。2009年に同社が総合免税店の1号店としてオープンした秋葉原本店に足を運んでみた。