ちょうどそのころ、僕は成人式を迎えました。式典会場には華やかな振袖姿の女の子たちが鈴なり状態。普段まったく女っ気がない現場で働いている僕は、式典なんかそっちのけで女の子にくぎ付けになっていました。
その中に、ちょっと梅宮アンナちゃんに似たキレイな子がいました。まさに僕の好みにどストライクだったので、思い切って声をかけてみたところ、ちょっとだけ仲良くなることができたんです。これはイケるかも、と期待に胸を膨らませる僕。
すると彼女は、
「あたし、カレシいるんだけど」
の一言で、僕はアッサリ奈落の底に突き落とされました。それでも、あきらめきれずに、
「そのカレシって、どんなヤツ?」
と尋ねると、返ってきたのは意外な答えでした。
「キャバクラで『ボーイ』をやってるの」
「ボーイ?」
「知らないの? スタッフのことだよ」
ふーん。よくわからないけど、とにかくキャバクラで働けばモテるんだな。
「よし、オレもキャバクラのボーイになるよ!」
即断即決でした。夜の仕事だから、家の仕事が終わった後でも働けるので好都合です。さっそく求人チラシのチェックを開始したところ、近くに新規オープン予定の店の求人を発見。
すぐに応募して面接を受けると、採用が決定しました。