■モテたくて始めたキャバクラのボーイから店長へ!
僕が働くことになった店は、いわゆる「ルーズソックスパブ」。セーラー服姿の女の子たちが、当時流行していたルーズソックスをはいて接客するのがウリでした。
彼女たちは、ちょっと動いたらパンツが見えそうなほど短いスカートをはいています。僕は梅宮アンナちゃん似の子のことなんかすっかり忘れてもうドキドキで、いったいどうやって話しかけようかとプルプルしながらチャンスをうかがっていました。
ただし、彼女たちは店の大切な「商品」。ボーイごときが簡単に手を出せる存在ではありません。それでも、どうにかして彼女たちと話したい。僕はちょっとしたスキを狙い、全力でちょっかいをかけていました。
それがどうやら店長の気にさわったようで、しばらくすると女の子たちに、
「ボーイと必要以上にしゃべるな」
というお達しが。
それでも僕はあきらめません。話せないのなら、仕事ぶりで女の子たちにアピールするしかない。僕はその日から、人が変わったように一生懸命働きました。とにかく、常にホールを走り回る。お客さんへのあいさつは、
「いらっしゃいませーっ!」
と居酒屋並みの大声が基本。暇なときは街頭に出て、
「お客さん、どうすか? 一軒どうすか?」
と、積極的に客引きして、新規客もたくさんゲットしていました。ボーイの仕事は、意外と高度なコミュニケーション能力が必要です。女の子の接客や料理の味にクレームをつけられるのは日常茶飯事だし、ちょっとヤバイ人に声をかけて半殺しにされかけたこともありました(泣)。