損はどんどん膨らんでいきます。気がついたら、仕事で一生懸命貯めた500万円が、わずか1か月でなくなっていました。
ネット取引なら、うまくいくハズだったのに……。なんでこんなことになってしまったのか、僕なりに敗因を分析してみたところ、負けた理由が見えてきました。
商品先物は、取引に期限があってそれまでに決済しなければならないのです。買いから入る取引をする場合は期限までに売らなきゃならないし、売りから入った場合は買い戻さなければなりません。
「もうちょっと待っていれば上がるのに!」
というときでも、損を抱えたまま泣く泣く売らされてしまうことが何度もありました。やっぱり僕には先物は向いてない、そう痛感しました。
以前の取引で失った1000万円は保険金で、言ってみればあぶく銭。でも、今回フイにしたのは自ら汗して貯めた500万円です。さすがにどっぷりヘコみました。
「ラクして稼ごうとしたってダメなんだ。オレにはスクラップの仕事しかない」
今度こそ心を入れ替え、投資から足を洗う決意をしました。しかしそのわずか1年後、僕のその後の人生を大きく変える誘いを受けてしまったのです。
(第4回に続く)
⇒【第4回】わずか1か月で資金3倍! こんなに簡単に儲かる取引があったとは | 突然マルサがやってきた!
【PROFILE】磯貝清明(いそがい・きよあき):金属スクラップ業「磯貝商店」社長。1977年埼玉県生まれ。2004年にFXをスタート。2007年には10億円まで資産を殖やしたが、サブプライム・ショック以降、大損失を被る。2009年には東京国税局に所得税法違反(脱税)容疑で告発される。現在は、税金完納を目指して奮闘中。