証券業界最大手の野村證券は、9月26日に公表したレポート『マーケットアウトルック』以下の見解を示した。
〈日本株は上昇基調へ転ずることが予想されます。2016年末の日経平均株価予想を18000円と想定します〉
日本株回復の要因として「ABCDショック」が去ったことがあげられる。「ABCDショック」とは、Aがアメリカの大統領選挙、Bが英国のEU離脱、Cが中国経済失速、Dがドイツ銀行を中心とする欧州系金融機関の経営危機を指すが、いずれもリスクが後退しているのだ。
また、日本経済復活の要因は「ABCDショック」の払拭だけではなく、国内要因からも読み取れる。野村證券投資情報部のトップを務める竜沢俊彦部長は、「個人的見解ですが」と断わった上で日銀と政府の対策を高く評価する。
「年間6兆円のETF(上場投資信託)買い入れと、国と地方が直接支出する5兆8000億円に上る公共事業政策が日本株上昇のドライバー(牽引役)になります。特に公共事業には即効性があり、株価を押し上げる効果が高い」
日本経済にとって最大のリスクである「円高」についても楽観的だ。