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新宗教の資金力 幸福の科学「創業オーナー」の強みと、急速に信者増やす真如苑

真如苑が購入した大日如来坐像(写真/共同通信社)

真如苑が購入した大日如来坐像(写真/共同通信社)

仏像を14億円で落札

 先行する2教団に続いて、急速に信者数や資金力を伸ばしているとされるのが真如苑である。

 真如苑は1936年に教祖で真言宗の僧侶・伊藤真乗氏が創設した真言宗系在家仏教教団で東京・立川市の真澄寺に総本部を置く。現在は娘の伊藤真聰氏が苑主を務める。

 その名を轟かせたのは2002年、立川市と武蔵村山市にまたがる約106ヘクタールの広大な日産自動車工場跡地を739億円で購入した時だ。

 さらに2008年には、ニューヨークのクリスティーズ主催のオークションで鎌倉時代の仏師・運慶作と伝わる大日如来坐像を14億円で落札。2012年に千代田区の皇居の近くに別院「友心院」を建設し、2018年には同地区に大日如来坐像はじめ所蔵する美術品を展示するための「半蔵門ミュージアム」を建設するなど、新宗教の中では中規模とされる教団ながら豊富な資金力を見せつけているのである。

 新宗教は全盛期を過ぎたといわれる。文化庁の発行する『宗教年鑑』のデータでは、平成の約30年間で全宗教団体の信者数は5900万人減少、とくに仏教系は8700万人から4700万人に減った。高齢化、少子化の社会の波は宗教界にも押し寄せたのだ。

「新宗教は高度成長期に地方から都会に出てきた人たちを信者として吸収して成長してきた面が強い。その世代の高齢化とともに教団の成長は止まった。世代交代もうまくいっていない。ほとんどの新宗教は、自前のお墓を持たないから世代が継承されにくい」(島田氏)

 そうした教団の成長が難しい時代にあって、真如苑は20年前(平成13年)の約80万人から現在(令和3年)は約93万人と信者数を大きく伸ばしている(出典は『宗教年鑑』)。

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