その代表的な修行法は「接心」と呼ばれる。教団のホームページではこう説明している。
〈修行を重ねた指導者から「霊言」として伝えられるアドバイスを受けながら、自分のこころの傾向を見つめ、どのような方向へ向かっていくのか見極め、心の精度を向上させていきます〉
教団施設で「接心」を受けた時の寄付の目安は1回1000円とされる。島田氏が続ける。
「接心というのは心理的なカウンセリング、悩み相談のようなものです。宗教に精神的な救済を求めるというより、病院に健康診断に行くようなライトな感じ。たとえば子育てが一段落した中高年層の主婦で、夫は大企業に勤めているけど家庭を顧みないといった時間とお金に余裕がある層などをうまく吸収しているのではないか。気楽に悩み相談ができて、多額のお布施や選挙活動などは求められない。宗教の堅苦しさもないのが時代に合っているのかもしれません」
信者拡大が資金力強化につながっていると言えそうだ。宗教雑誌『宗教問題』編集長の小川寛大氏が指摘する。
「多くの新宗教には信者から固定的な金額をむしり取るような構造は実は存在しない。会費は立正佼成会が月100円、PL教団は月1000円、崇教眞光が月500円など、その程度の金額です。各教団のコアな収入源は、年間予定の様々な行事の参加費、祈祷料など。信者に寄付を競わせるような手法は、信者2世や3世が教団を支えるようになるとうまく回らないかもしれない」
新宗教団体の資金集めは時代の曲がり角にある。
※週刊ポスト2022年5月20日号