そもそも米国企業は、商品やサービスの開発段階でグローバル市場を視野に入れた設計を行っているため、世界展開の際にも市場が広がりやすい。そのため、ひとつのヒット商品が生み出す収益は日本の企業とは比べ物にならない。
もうひとつ、ベンチャー企業が育ちやすい土壌がある点も魅力。その代表がサンフランシスコ郊外にあるシリコンバレーだろう。同地域には世界的なIT企業が密集していると同時に、ハングリー精神旺盛な起業家が世界中から集まってくる。先行投資を惜しまないベンチャーキャピタルも多い。
「最近話題のフィンテック関連のベンチャー企業も続々と誕生しています」(同前)
実際、いまだに米国企業の一人勝ち状態が続いている分野も少なくない。航空事業や映画産業、あるいはクレジットカード、外食もそうだ。外食で言えばマクドナルドやバーガーキングはいまだ健在だし、新たな人気店「シェイク シャック」なども誕生。日本にも1年ほど前に上陸している。
新たな成長企業が誕生しやすい環境が整っているのも米国市場の魅力だが、既存企業のビジネスの新陳代謝も活発だ。不採算部門を売却して有望な分野に資産を集中させる傾向が顕著となっている。
例えば、米国ヤフーがネット事業を売却したり、GEが金融部門を売却したりするなど、それまでの主力事業であったとしても、将来性がなければ手放すことを厭わない。株主の利益を第一に考えなければならないからだ。結果、日本と比べると株式の配当利回りも高くなる。
このように投資対象として圧倒的な魅力を持つ米国市場だが、米国株に直接投資をしたことのない投資家にとっては、ハードルが高い気がするかもしれない。しかし、一部の証券会社では日本株と同じ感覚で売買をすることができる。
そのうちのひとつ、マネックス証券では、国内最多の約3000銘柄を扱っている。手数料も「5ドルから」と業界最安水準だ。また「初回入金日から20日間の米国株取引手数料をキャッシュバック」するプログラム(※詳細はマネックス証券HPを参照)を実施するなど、米国株初心者の投資機会拡大もサポートしている。さらに、米国株は1株から取引できるから、“お試し投資”もしやすい。人気のアップル株にも1万円程度から投資可能だ。
一方で米国株投資には注意しなければならない点もある。ひとつは為替リスクがあることだ。米国株はドルで売買するので、株を買う前に資金(日本円)をドルに交換しておく必要がある。同社では、口座に資金をプールしておくこともできるので、為替相場を見て円高のときに両替しておくこともできるわけだ。
また、日本時間の夜に株式市場が開いているため、眠っている間に相場が大きく動く可能性もある。そんなときに大きな損失を抱えないために、取引を始める際には利益確定の注文や損切り注文も同時に発注しておくのが安心だろう。
成長力の高い市場に投資をするのは、株式投資の基本的な考え方だ。そのうえで、米国市場は申し分ない可能性を秘めている。一方でその成長性から株価上昇が続けば割高水準になりやすく、買い時を逃してしまうこともあるだろう。過去20年の実績を顧みれば、どれだけ早く米国株投資を始められるかも、今後の成功のポイントになるかもしれない。
参考ページ:はじめての米国株