田代尚機のチャイナ・リサーチ

中国 投資総額1兆元超の公民連携プロジェクトの意味

投資総額1兆元超の公民連携プロジェクトの意味は

投資総額1兆元超の公民連携プロジェクトの意味は

 日本では、東京・豊洲への市場移転や、オリンピック会場建設に関して、公共事業の不透明性、非効率性が大きな問題となっているが、こうした問題は日本に限らず、中国でも深刻な問題となっている。

 リーマンショック直後、景気対策のために、中央政府は地方政府に対して公共投資拡大を指示したが、その結果生じたのは不要不急の投資、重複投資、不公平で非効率的な投資であった。

 理由ははっきりしている。投資の決定権を持つ責任者、機関が自己の利益のために公共投資を利用するからだ。また、政治的に力が強く、利害関係が出来上がっている機関が公共投資に群がる。それは銀行も同じである。市場競争を介さない取引には致命的な欠点が存在する。

 どうしたらよいのだろうか? その答えの一つが公民連携プロジェクトの推進である。

 財政部、教育部など20の部委は連名で10月11日、公民連携(PPP)モデルプロジェクト(第3弾)を発表した。プロジェクト数は516件、投資総額は1兆1708億元。ごみ処理、下水処理、道路建設、駐車場整備、景観緑化といった市政府関連事業を中心に、広範な公共投資が対象となっている。

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