ちなみに、今回は第3弾である。第1弾は2014年12月に発表され、30プロジェクト、総額1800億元であった。第2弾は2015年9月に発表されており、206プロジェクト、6589億元が承認されている。回を重ねるごとに規模は大きくなっている。
ここで認められたプロジェクトは主体となる地方政府などが申請したプロジェクトである。候補となったプロジェクトは1070件、投資総額は2兆2000億元であったが、国家発展改革委員会などがしっかりと審査した上で選んでいる。プロジェクトの内容は、中国において今本当に必要な投資に絞られていると考えてよいだろう。
ただし、補助金などの支援額は小さく、資金調達については、基本的に、実際に実行する地方政府が中心となって行わなければならない。民間資金を呼び込む際に、地方政府はプロジェクトの透明性、有効性、収益性などを明確にさせなければならない。
PPPプロジェクトにおける最大のメリットは、“収益最大化を目指す民間部門が投資に値すると考えるような案件でなければならない”点にある。
できる限り、政府との癒着が懸念される政府系民間企業を排除し、純粋に収益面だけを考えて投資する民間企業の参入を増やさなければならない。保険会社、ノンバンクや、事業会社による産業向け投資ファンドなどの資金が大量に流入するようなものでなければならない。
そうした資金が流入しやすくなるよう、プロジェクトの権益を証券化し、参入しやすくしたり、そのほか、民間投資をエグジット(回収)しやすくしたりする試みがなされている。