八木さんは最近、そのマンションが再び売りに出されていたのを確認したという。
「ネットで色々物件を調べていたら、住んでいたマンションが売りに出ていて、価格は変わらず3000万円くらいでした。つまり、当時購入していても、その後同じくらいの価格で売れたかもしれないということです。
購入してから売るまでの家賃を浮かすことができた可能性が高いと考えると、購入していたほうが得だったんじゃないかと思えて、少し後悔もしましたが、リフォーム費用もかかるし、築年数からするとそこまで長く住めるわけでもないので、買わないで良かったかなと、自分を納得させています」
八木さんの判断が正しかったのかどうかは、誰にもわからない。だが、マンションの“賃貸が得か、購入が得か”問題は、単純に価格だけでなく、物件の築年数やリフォームの必要性などの要素も複雑に絡んでくる。数年後、そのマンションがどのような状況となっているのかをしっかり考えて、慎重に判断する必要があるだろう。