コロナ禍、ウクライナ侵攻、20年ぶりの1ドル=130円にも達した円安などの影響で、値上げラッシュが続いている。火力発電がメインの日本は発電所の燃料などに使う原油と天然ガスの高騰により、今後も電気料金の値上げが続くとみられる。電気料金を節約するにはどうすればよいのだろうか。
選択肢となるのが電気契約という「根本」の部分の見直しだ。経済ジャーナリストの荻原博子さんはこう話す。
「電気の契約アンペア(A)を下げると、基本料金を抑えることができます。ブレーカーを気にして節電するようにもなるので一石二鳥です」
都内で夫とふたり暮らしする60代主婦が笑顔で語る。
「ウチは東京電力の基本契約を60Aから40Aに変更しました。これで基本料金が572円安くなり、年間6864円の節約です」
近年は電気とガスの自由化が進み、都市部を中心に新たな電力会社が登場した。光熱費を浮かすには、そうした新会社に乗り換えるのもひとつの手。
参加者が電気を共同購入する「グループパワーチョイス」という手段もある。ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんが説明する。
「自治体などが呼びかけ、参加者が太陽光や風力など自然由来を含む電気を共同購入するしくみで、参加者が増えるほど電気代が安くなります。過去の実績では、平均で8~9%電気代が安くなった。実施するかどうかは自治体により異なるので、興味があるなら役所に問い合わせましょう」
分譲マンションは、「一括受電」で電気代が安くなる。
「通常、マンションは各戸が個別に電気会社と契約を結びますが、『一括受電』では、マンションの管理組合などが電力会社と契約を結びます。これにより、各戸の電気料金が5~10%ほど安くなることが一般的です。ただし、入居者全戸の同意が必要などのハードルがあり、導入の際は住人同士の話し合いが欠かせません」(荻原さん)