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円安で日本円の価値は目減り 他通貨に分散させる“経済学的に正しい投資方法”とは

円安時代の資産運用の正しいあり方とは(イメージ)

円安時代の資産運用の正しいあり方とは(イメージ)

 令和元年度の生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」によれば、「ゆとりある老後生活」に必要な金額は夫婦ふたりで月36.1万円。仮にこれを65才から20~25年間続けようとすると、ざっと8000万~1億円が必要になる。もはや「老後2000万円問題」どころではない。

 もちろん、公的年金や退職金などである程度賄える部分もある。だが、肝心の公的年金の受給額は2年連続で引き下げられており、今後も目減りは避けられそうにない。加えて老後の医療費に介護費用と、さまざまな負担が家計に重くのしかかる。

 そして4月後半、約20年ぶりの1ドル=130円台と、記録的な円安となった。さらに、相次ぐインフレで物価は上がる一方……充分な備えがあれば不安はないが、いまから老後に備えるなら、円だけでなく、世界の通貨に目を向けた方が安心だ。個人投資家でファイナンシャルプランナーの藤川里絵さんが指摘する。

「円安とは、円の価値が下がるということ。日本円の、しかも現金だけで資産を持っていても、円安が進めば進むほど、その価値は実質的に目減りしていきます。いまこそ、日本円だけではなく、ほかの通貨にも分散した資産運用を考えるときでしょう」

 そもそも、資産運用の効率を上げるには、日本円以外の通貨にも目を向けた方がいい。『ほったらかし投資術』などの著者で経済評論家の山崎元さんが説明する。

「実は、世界の株式市場において、日本株は全体の6%未満。資産運用の3原則は“長期”“分散”“低コスト”。分散投資の視点からも、日本株だけ、外国株だけに限定するのではなく、全世界の株式に広く投資する方がいいのです」

 投資といえば「お金持ちがやるもの」「一瞬で大金を失う」などというイメージがあるが、曲解してはいけない。

 実際は、大きな元手が必要ない商品も多く、3原則を守って分単位で株価が変動するような取引をしなければ、投じたお金を一気に失うようなことにはなるはずもない。

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