あえて転勤が多い業種を受けまくった
Kさん(40代/男性)もOさんと同様、“働く場所”にこだわりがあったが、Oさんとは指向性が正反対だった。
「自分は大学を出るまでずっと実家暮らしで、とにかく家を出たかったんです。そこで、どうせサラリーマンになるなら色々な所を見てやろうと思い、転勤が多い業種を調べて、そこばかり受けまくりました。就職活動で大したアピールポイントもないので、“転勤、大歓迎です”と言ったら気に入ってもらえるかもという計算もありました。面接では“そんなこと言っちゃって良いの?”と言われたこともありましたが、作戦は成功で、業界トップクラスの不動産販売の会社から内定をもらえました。
そして希望は叶っています。1つのプロジェクトが終わると別の場所に移るので、入社して7~8年は3か月単位で働く場所が移動。引っ越し費用は全部会社持ちなので、ほぼ毎回、引っ越していました。そして年次が上がると、販売現場からオフィスワークに移りましたが、東は静岡から西は長崎まで、10年ちょっとで転勤は5回。慣れた頃に引っ越しするのは寂しくもありますが、色々な所に知り合いがいるのは嬉しいもので、“これも人生”と割り切って楽しんでいます」(Kさん)
4人ともこれだけ個性的なら企業の目に止まったのも納得だが、自分の心にウソをつかなかったことも勝因だったはず。小手先のテクニックに頼るぐらいなら、思い切り本音で勝負するのも1つの手かもしれない。